犬の防災対策!飼い主必見の「犬の非常食」の選び方と備えのポイント

入江栞
この記事を書いた人

ペットフーディスト / ヨガ講師
ペットフーディストの資格を取得。
ヨガのレッスンを提供しながら、ペット業界でのPR 等に携わり、自身のブランド拡大に向けて活動している。

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ペット×健康

災害が発生した際、家族全員、そしてわんちゃんも一緒に安全を確保することが不可欠です。特に、わんちゃんを飼っている飼い主の皆さんにとって、愛犬の安全を守るための「犬の非常食」の準備が欠かせません。ここでは、その選び方と備えのポイントについて詳しく解説いたします。

ペットの防災対策を行っているご家庭は21.6%(※)となっており、まだまだ愛犬への防災対策をしているご家庭は少ない割合となっています。

この記事を書いている私自身も恥ずかしながら、災害グッズを用意したのはここ数年の話。

どこか人ごとになっており、後回しにしていましたが、家族としてできることを今のうちからしておく必要性を感じ、情報収集後に愛犬の普段の生活をイメージしながら準備しました。

非常食の選び方だけでなく、愛犬の必需品も用意しておくことが重要となってきます。この記事を読むことで、飼い主の皆さんは災害時に冷静かつ効果的な行動を取りながら、愛犬とともに安心して過ごすために今できることをまとめてみました。

※(参考)2021年アイペット損害保険株式会社 ペットのための防災対策に関する調査

わんちゃんの非常食とは?

犬の非常食とは、災害時に備えて事前に用意しておく愛犬のための食事のことを指します。非常時には、ドッグフードや普段口にしている食べ物がすぐに手に入らない可能性が高いです。またこだわりが強い子や持病がある子などは配布されるフードを食べないことも考えられます。そのために、普段の生活でいつも食べているドッグフードを非常食として備えておくことが重要です。

各種類別のメリット、デメリット

実際にわんちゃんの非常食としてどんなものが向いているか解説していきます。

ドライフード(フリーズドライフード)

メリット

保存期間が長いドライフードは、非常時に適した食品です。

真空パックや密閉容器で保存すると、新鮮な状態を保つことができます。

デメリット

水分量が少ないため、食事の際には水を飲む必要が出てきます。

災害時には水の入手も困難となるため非常食として水も準備できている場合は食べさせるようにしてください。

ウェットフード

メリット

水分も一緒に補給できるため非常食に向いています。偏食の子や普段食べているフードを準備できない場合にトッピングとして使用すると、嗜好性が高くなります。

デメリット

水分量が多いため、ドライフードよりも沢山の量を食べる必要があります。保管に嵩張るのでトッピングやドライフードへの食い付きが悪い時に使用するものと考えることをおすすめします。

また、冷蔵庫での保管が必須となるものもあり、保管方法をきちんと確認してから非常食として取り入れてください。

おやつ

メリット

私たちと同様、わんちゃんも慣れない環境でストレスを感じます。そんな時にご褒美として普段食いつきの良いおやつを用意してあげることはわんちゃんにとってストレス解消の一つとなります。また、飼い主さんとのコミュニケーションツールにもなるため、長期保存しやすいビスケットやボーロなどを準備しておくと良いでしょう。

デメリット

おやつだけでは水分や栄養の補給はできないため、フードを優先に食べさせるようにしてください。

非常用栄養補助食品

メリット

犬の健康をサポートするための非常用栄養補助食品も存在します。これにはビタミンやミネラルが含まれ、栄養補給に役立ちます。

また食欲が落ちてしまった時にも比較的嗜好性が高い製品となるためトッピングとしておすすめです。

デメリット

あくまでも「補助食品」なのでメインの食事としては成り立ちません。

きちんとフードと組み合わせて使用しましょう。

非常食の選択と管理で気をつけたいこと

非常食の選択に際しては、愛犬の好みやアレルギーに注意して選択することも大切なポイントです。また、非常時のためには保存期間や保存方法も確認し、比較的長期的に保管できるものを用意しましょう。定期的に消費期限が近づいているものは普段の食事に使用し、新しいものに入れ替えるなどの工夫が重要です。

非常食の他に防災セットに入れておきたいもの

災害時には非常食以外にも準備しておくべきものがいくつかあるので紹介します。

実際に防災セットを作る時の参考にしてください。

人間用のミネラルウォーターの多くにはマグネシウムやカルシウムが含まれており、わんちゃんには向いていません。成分表をしっかり見て、ミネラル含有量が低いミネラルウォーターを用意してください。今はペット用の水も販売されているため、飲み水として数本入れておくと良いでしょう。

クレートやケージ、キャリーケース

避難する際にはクレートやケージに入らなくてはいけません。普段からクレートに入れるようにトレーニングをしておくことや使い慣れたクレートやケージを準備しておくことは、慣れない環境でのわんちゃんの安心に繋がります

リードと首輪

逃走することがないようにきちんとリードで繋いでおくことも大切です。フレキシブルリードではなく、伸びないリードを用意しておくと良いでしょう。

持ち運びできる食器

普段から使い慣れている食器を用意してあげることで、可能な限り普段通りの食事環境を作ってあげることができます。折り畳みができるシリコンタイプは割れる心配もないのでおすすめです。

ペットシーツ

外で排泄できるとは限らないため、普段からペットシーツで排泄できるようにしておくと良いでしょう。ペットシーツは多めに準備しておくことで、衛生面も保つことができます。

迷子札やマイクロチップ

今までの混乱している災害時には飼い主さんとはぐれて、さまようわんちゃんが多く見られました。一度家族から離れてしまうと見つけ出すことは難航します。万が一、離れてしまった時に大切なのはわんちゃんに迷子札をつけておくこと。普段から飼い主さんの名前や連絡先を記載して首輪につけておくことやマイクロチップをつけておくことをおすすめします。

普段慣れている毛布やタオルや飼い主さんの匂いがついているもの

慣れない環境で安心して過ごせるようにクレートやケージに入れてあげるために、慣れている毛布や飼い主さんの匂いがついているものを与えてあげてください。避難所によっては一緒に過ごすことはできない場合もあるため、なるべく寂しい想いをさせないように工夫をします

ドライシャンプーやノンアルコールのウェットティッシュ

汚れてしまってもすぐに洗ってあげることはできません。衛生面を保つためにすぐに拭いてあげることができるシートを用意しておきましょう。

持病がある子は薬

薬が必要な子は動物病院に理由を話し、事前に準備しておきます。災害時には病院が開かれないケースもあるため、準備しておいてください。

市販の防災セット 

一つ一つ準備するのは時間と手間がかかります。すぐに準備できない方には必要最低限のわんちゃん用グッズが入った防災セットも販売されていますのでそちらを活用すると良いでしょう。市販のセットに愛犬に必要なものを追加していくと揃えるより簡単に愛犬のための防災セットを準備することができます。

まとめ

普段とは異なる環境でも愛犬ができる限りストレスフリーで過ごすために飼い主さんは事前に準備をしておくことが需要です。

災害時には計画的かつ迅速な行動が不可欠です。

適切な非常食の選び方や与え方、その他必要なものを事前に正しく理解しておくことは、いざという時の愛犬との生活がより安心できるものとなるでしょう。