わんこをこれから迎える方もすでに一緒に生活している方も、室内で一緒に生活する上でとても大切なトイレトレーニング。
本来わんこには、一か所で排泄する習慣はありません。
そのため、家族に迎えた飼い主がトイレの場所を教えてあげることが必要となります。
また、トイレを正しく覚えさせることでお出かけの際にも安心して過ごすことができます。愛犬との活動の幅を広げるためにも、小さい頃から飼い主さんがトイレトレーニングを行ってあげることが大切です。
今回は、わんこのトイレのしつけかたのコツと注意点、トイレのお悩み別対処法、成犬にトイレトレーニングを行う時のポイントなど詳しくご紹介します。
どうしてトイレトレーニングが必要なのか
前段でも記載した通り、わんこは本来、場所を決めて排泄をする習慣がありません。そのため、愛犬が気持ちよく排泄できるように環境を整えることも飼い主の役目になってきます。
トイレトレーニングを行うことで自宅や外出先で粗相してしまうことが減り、わんこ自身も飼い主さんも一緒に暮らすストレスを軽減することができます。
また、ご家庭によっては外で排泄できるから大丈夫、お散歩の時に排泄するからトレーニングは不要、と考えているかもしれません。しかし、天候不良の日、体調が優れない日など何かしらの理由で外へ出られない時に困ってしまうのはわんこ。
排泄が普段通りできないことで体調不良になってしまうことも考えられるため、室内でも排泄ができるようにトレーニングをしておくことをおすすめします。
いつからトレーニングを始める?
トイレトレーニングは子犬の頃に行う必要があるものと認識されがちですが、成犬になってからでも行うことができるため安心してください。
子犬の頃の方が覚えが早い理由としては、わんこは何度も同じ行動を繰り返すことでその行動を覚えていきます。排泄の回数が成犬よりも子犬の方が多いことから、子犬の頃の方がトイレトレーニングの習得がスムーズです。
また、1日の排泄の回数は子犬と成犬で異なります。うんちは1日5~6回ほどすると言われているので、ソワソワするなどの行動が見られたらすぐにトイレに連れていきましょう。
それに対して、成犬は1日2~3回おしっこを、1日1~2回程度うんちをします。(個体差があるため、愛犬のリズムを観察してください。)
トイレトレーニングのステップ
トイレトレーニングは段階を踏んで根気よく取り組むことが大切です。
STEP1:可能な限り部屋全体にトイレシートを敷く。
まずはケージやクレートの周りの広範囲にシートを敷き詰めます。
愛犬の排泄のタイミングがわかる場合は、ケージの中や囲いをしているシートが敷いてある場所に入れてあげて排泄を待つようにします。
この時、コマンドを用意するとわんこによってはそのコマンドで他の場所でも排泄ができるようになります。
STEP2:トイレシートの範囲を狭めていく。
広範囲に敷いていたシートの割合を少しずつ狭めていきましょう。トイレの周りのみにするなど、少しずつトイレの上で排泄ができるように誘導してあげます。
この場所で排泄をするといいことがある、このコマンドで排泄をすると嬉しいことが起こるなどシートの上で排泄することをいいイメージに変えていきます。
STEP3:トイレの場所だけにシートを敷く。
シートの上での排泄に慣れ、トイレの場所で排泄ができる確率が高くなってきたら、最後はトイレにだけシートを敷くようにします。トイレができたらとにかくすぐに褒める!これを忘れずに何度も繰り返していきましょう。
トレーニングのポイント
ステップを繰り返すうちにわんこは室内でのトイレを覚えていきます。さらに効率よく、トイレトレーニングを行うためのポイントをまとめました。
ポイント1:排泄のタイミングを飼い主が覚えて、タイミングを逃さずにトレーニングすること。
わんこは下記タイミングでの排泄が多いと言われています。
①寝起き
②食後
③遊んだ後
このタイミングで愛犬の動きに注目して排泄しそうな時にシートまで誘導してあげましょう。床の匂いを嗅ぎ回ったり、そわそわしたりする行動も排泄の合図です。
ポイント2:排泄中に大きな声で声かけをしないこと。
排泄中に驚かせてしまうと排泄をやめてしまうこともあります。コマンドをつける時には排泄を始めたら小さな声で言い続けるようにします。
ポイント3:成功したら直後のご褒美をあげること。
成功したらすぐにご褒美を与えてください。わんこを褒める時には褒めるべき行動が見られてから6秒以内に行うと良いとされています。良い行動を見逃さず、すぐに褒めてあげることで成功体験を積み重ねていきます。
ポイント4:わんこが落ち着く場所にトイレを設置すること。
わんこも私たち同様、騒がしいところでは落ち着いて排泄できません。落ち着いて排泄ができるようになるべく人通りの少ない静かな場所にトイレを設置してあげます。
また、わんこは自分の寝床には排泄しない習性もあるため、できればベッドとは離れた場所にトイレを設置してください。
ポイント5:失敗したら消臭スプレーなどで匂いを消すこと。
一度、排泄をした場所に再度排泄をすることがないようにトイレ以外の場所で排泄した場合は、匂いを消しましょう。わんこは一度排泄をした場所に繰り返しマーキングする習性もあるので、誤った場所にした場合にはすぐに匂いを消してください。
トレーニングの時に避けたいこと
トレーニングをしていく中でもちろん上段でご紹介したステップの通りにスムーズに進むことばかりではありません。
どんな時も大切なのは「叱らないこと」
失敗する度に叱ってしまうと、わんこは排泄することがいけないことだと勘違いしてしまい、室内で排泄ができなくなってしまいます。
また、できなくなるだけではなく、飼い主に見えないところで排泄をしたり、食糞をしたりとその他の問題行動に繋がり兼ねません。
できなくても叱らない、失敗しても叱らない、心に置いてトレーニングを行ってください。
失敗してしまった行動に注目するのではなく、成功体験を積み上げていくことが大切です。
『トイレで排泄できなかったけどトイレまで行けた!』
『トイレシートの上に乗れた!』など小さな成功を見落とさずに褒めてあげてください。
おやつが好きな子には都度おやつを、飼い主さんからの声かけが好きな子には「いいこ!」とすぐに声をかけてあげるなど愛犬に合ったご褒美を与えるようにしましょう。
トイレの場所をなるべく変えない
一度覚えたトイレの場所を変えてしまうとわんこは混乱してしまいます。
なるべくトイレの場所は動かさないように心がけてください。
どうしてもトイレの場所を変えたい場合は、再度トイレトレーニングを行います。
柔らかいものを敷かない
わんこは足元が柔らかいと土や草などの地面と勘違いして排泄をしてしまう場合があります。何か敷きたい場合は、粗相してしまっても直ぐに洗えるマットを選択するようにすることで、匂いがついた場所に繰り返し失敗してしまうことを防ぐことができます。
おすすめ!トイレグッズ3選
①トイレトレー
様々なサイズ、種類のトレーが売っていますが初めのうちは大きめなサイズを選ぶと良いでしょう。トイレシートがずれないように押さえられるものを選ぶとわんこも気持ちよく排泄できると思います。
②シリコンマット
トイレシートに乗って排泄ができてもこぼれてしまうこともあります。そんな時にはトレーの下にシリコンマットを敷くことをおすすめします。うちではトレーは使用せずに、シリコンマットの上に直接トイレシートを敷いています。
③トイレシート
シーツの厚さで迷う方もいると思います。うちは1回排泄をしたら直ぐに変えるため薄くても問題なく使えています。大きさに関してはワイドタイプを一番下に敷き、その上にレギュラーサイズを敷くと床に溢れることを防ぎながら、汚れた箇所だけど交換できるのでおすすめです。
まとめ
わんこと一緒に暮らしていく上で大切なのはわんこも飼い主もストレスなく過ごせること。
トイレのトレーニングができていないと、部屋の掃除の回数が増えてしまい、飼い主さんにとって大きなストレスの原因になるでしょう。
さらに快適な暮らしを送るために、愛犬と根気よく向き合い、神経質にならずに二人三脚でしつけてあげてください。