犬と暮らす上で大切なしつけの一つが「噛み癖を直すこと」です。
愛犬をおうちに迎えた時には早い時期からトイレトレーニングと一緒に噛み癖のトレーニングを始める方が多いでしょう。
近年、ドッグランや他の犬との共有スペースでの犬による噛みつき事件が増加しています。愛犬が家族以外の人や他の犬を噛んでしまった場合、様々な問題が生じる可能性があります。
この記事では、愛犬が噛んでしまった際の対処法や予防策についてお伝えします。安全なペットの飼育と社会への共存を促進するため、この課題についての理解を深めていきましょう。
愛犬が他の犬や人を噛んでしまった時の対処法
①まずは早急に愛犬を興奮している対象から可能な限り離します。
興奮している犬は正常な判断ができなくなる可能性があるので、飼い主も十分注意しながら対応するようにします。
②感染症の可能性が考えられるため、噛まれた人や犬は病院へ行きます。
すぐに病院へ行き、正しい治療と診断を受けるようにしてください。噛んでしまった犬側の家族は、愛犬の対応をする人と付き合う人など役割分担をし、どちらも冷静に対応するように心がけます。
また、処置が落ち着いてから噛んでしまった相手の連絡先などを聞くようにしてください。
③保健所へ届出を出します。
愛犬が他の人や犬を噛んでしまった場合、24時間以内に保健所に届出を出す必要があります。
また、48時間以内に噛まれた人や犬が狂犬病にかかっていないか、獣医師や医者に診断してもらってください。速やかに保健所に届け出ましょう。
④噛んでしまった犬も病院へ行きます。
狂犬病ではない証明書をもらい、噛んでしまった犬の健康状態もチェックしてもらいましょう。
⑤噛んでしまった人や犬のご家族に謝罪をし、今後について話し合います。
きちんと謝罪を含めて、誠意をもって対応すればほとんどの場合示談となりますが、裁判にまで発展したケースもあります。
トラブルを未然に防ぐために
トラブルが起きてから対応する、という認識ではなく、トラブルを未然に防ぐことが大切です。そのために大切なことは普段からどんな意識をして愛犬と関わるか。いくつかポイントをお伝えするのでチェックしてみてください。
①迎えた時から噛むことはいけないことであると認識させる
甘噛み含めて、人の手や身体に歯が当たってしまうことはいけないことだと教えるようにします。甘噛みだから、、、遊びだから、、、と許してしまうと犬は人都合での状況判断ができないため、噛んでいいものだと理解してしまいます。
②子犬の頃から子供や他の犬、家族以外の人や知らない場所に慣れさせる
家族以外の環境や人に慣れさせることで環境によるパニックやストレスを減らすことができます。
苦手なことや慣れないことが起こると警戒心や恐怖心から犬は自分をコントロールできなくなり、普段は温厚な子もいつもと違う行動に出ることも。
できる限り小さい頃から私たち人間の社会に慣れさせてあげることで、生活していく上で怖いものを減らしてあげてください。
③ベーストレーニングを普段から意識する
ベーストレーニングとは、その名の通り、基礎となるトレーニングのことです。
飼い主の指示を正しく理解し、行動できるようにしておくことで予期せぬ出来事が起きた時にもトラブルになる前に対処できるでしょう。
④飼い主との主従関係を正しく築く
ベーストレーニングと似ていますが、飼い主との主従関係が崩れないようにしておくことも、いかなる場面でも犬は飼い主の指示が聞けるようになります。
愛犬が興奮してしまった時、周りの犬とトラブルになりそうな時などでも落ち着いて普段通りの行動に戻してあげるように管理することは飼い主の義務です。
⑤愛犬の性格を正しく理解する
愛犬がどんな場面で興奮するのか、どんな人やどんな犬が苦手なのかを理解しておくことで事前にトラブルが起きそうな場面を避けることができます。
私たちが苦手な人がいるのと同じように犬にも苦手な犬や苦手な人・場面が存在します。
どんなにトレーニングをしていても苦手な場面に遭遇すると普段は見られない行動をとる可能性があるため、できる限り、そのような場面を避けてあげると良いでしょう。
万が一に備えておくべきこと
犬もトラブルを起こしたくて起こしているわけではありません。元々は野生で生活してきた犬が私たちと一緒に人間社会で暮らすためには飼い主の努力が必要であることを理解しておきましょう。
普段からトレーニングや生活環境を整えるなどの対応をしつつも、万が一に備えておくようにします。
その上で、万が一に備えてペット保険に加入しておくことがおすすめです。
相手に怪我を負わせてしまうと賠償金や治療費など多額の費用が発生する可能性もあります。
予期せぬ事故に備えておくことも飼い主の責任の一つです。
まとめ
愛犬との暮らしを始めたら、予期せぬ出来事が起こります。そんな時にも焦らずに冷静に対応できるように、正しい情報を得ることはとても重要です。
犬には本来の防衛本能として噛むという選択肢があります。噛まないようにトレーニングしながらも、犬の本質を理解して接するようにしてください。
愛犬と家族、そしてその周りの人たち、全員が幸せに暮らせるように、未然に事故が起きないように努めるようにしましょう。